Our Precious Princess


  第 二 章 
h 嘆 き の 章

第 二話 罪と罰

 ―――――それから私はどうやって寮に帰ったのだろうか。

私はしばらく授業を休み続けた。

携帯の電源はいつからか切れたままになっている。
怖くて触ることすら出来ない。
きっと裕太から何通ものメールが来てる。


でももう裕太の顔さえ思い出すのが苦痛で。

あの綺麗な髪の色と同じ色をしたひとを思い出すから…


1日中、何度もシャワーを浴びた。
なのに、消えない。

痛みも。異物感も。
――快感も。


私はあのひとを欲した。
裕太じゃないひとを欲してしまった。



もう、


あの には モドレナイ


 「!!」

ようやく授業に出た日。
裕太は休み時間になると、すぐさま私のもとにやって来た。

 「お前携帯壊れたのか?ずっと連絡とれねえから心配したんだぞ」

 「…うん、もう…平気」

 「丁度合宿の日から調子悪かったのか?
お前携帯にかけても、なかなか出ねーから、兄貴にことづけたんだけど、
結局お前、来なかったって聞いたから」


来なかった…?
あのひとが、そう言ったの…?


 「…違う…よ」
 「え?」

 「ちょっと、いい?」

私は教室を出た。
誰もいない渡り廊下まで歩く。

 「どうしたんだよ」

 「私。…行けなかったんじゃない。行かなかったの」
 「は?何言って…」
 「…もう嫌になったの。私。」
 「な、何がだよ!!」


 「別れて」


 私はそれだけ言って、急いで階段を駆け下りて寮に戻った。

私は泣いちゃいけない。
私に泣く権利なんてないもの。

裕太ごめんね。
でも私もう裕太とは居られない。
これ以上裕太を騙すなんてできない。

誰とも一緒にいたくないの。

 「…っ…う…うー…っ…」

自室のベッドの中で、独りで泣いた。

さっきの裕太の顔が頭から離れない。

ごめんね、裕太…

私、誰よりも、貴方が好きなの。
いつか、いつかは、貴方のものになりたいって思ってた。

私なんかが、裕太の傍にいてごめんなさい。
ばいばい。

裕太…    大すき。


「裕…太ぁ…ッ」


 ――泣き疲れて眠って、
目を覚ましたらもう暗くなっていた。


携帯には隣の部屋の友達が心配してメールを入れてくれて
た。
返事を打とうとした時。
いきなり鳴り始めた携帯をベットの上に放り投げてしまった。

慌てて携帯を拾い上げた私は、
条件反射で通話ボタンを押してしまった。

 

電話出てはいけない
悪魔 に引きれてしま

 『――?』

背筋が凍った。
一瞬で目の前が真っ暗になる。


気持ち悪い。

 『?』
 「な…ん…で」

声だけで、わかる。

 「ど、どうし…て?…周助…さん…」
 『ごめんね、君が寝てる間に調べたんだ、携帯番号。』

い、いや!!!
厭だ、怖いっ…

 『…あ、切ったりしたら大変だよ?
 裕太に全部話しちゃうかも』

 「…も、もう…裕太は関係ないです」
 『へぇ!』

 彼の声が明るくなるのがわかった。

 『やっぱり裕太と別れたんだ…』
 「だから…、もう私と貴方は関係ない…っ」

 『…そんなこと、言わないでよ』

 『どうせまだ、裕太のこと好きなんでしょ?
 …次の日曜。
 午後2時に青春駅台駅においで』

 「厭っ…」

 『いいよ、裕太にバラされても君は平気なんだったね。
 …一応、30分待ってあげら。じゃ。』

切られた電話の無機質な音を聞きながら、
私は呆然と座り込んでいた―――…



          


          


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